2021.01.29
広告の健全化を強化。アドフラウド対策ツール「Spider AF」を導入した「ACCESSTRADE」が目指すこと
右)インタ―スペース マーケティング局 局長
石田 卓
左)Spider Labs
広告の健全化に向けて、アドフラウド対策を強化
-アフィリエイト広告の市場動向について教えてください
石田:アフィリエイト広告は約20年近い歴史があり、国内のアフィリエイト市場規模は3,500億円と年々拡大しています。
2001年から当社が提供している「ACCESSTRADE(アクセストレード)」は、約73万(累計)のパートナーサイトネットワークを持ち、幅広い業種の広告主・メディア提案を強みとしています。
今までは当社を含めた大手ASPで市場をつくってきました。しかし、最近ではGoogleの検索アルゴリズムの変動や広告出稿のレギュレーションの目まぐるしい変化によって、お客様のニーズも増えてきているため、業界内に様々なASP、メディアなど、新たなプレイヤーも参入し、より競争環境が激化している印象があります。
―市場が成長し、様々なニーズが増えているなかで、アフィリエイトの「健全化」に向けてはどのような取組みをしているのでしょうか?
石田:当社では、ECジャンルなどの過度な広告訴求が問題になった2~3年前から、健全化に対して取り組みを強化していて、2019年7月には、広告配信プラットフォーム事業者と連携し「ネット広告の健全化に向けた共同声明」も発表しています。
現在、「広告掲載面に対する健全化」と「広告に対する不正対策」に対して新たなツールを導入して、ブランドセーフティを担保するための取り組みを行っております。
「掲載面の健全化」においては、広告掲載面の透明性を改善するため、昨年3月にフォースリーさんの掲載面管理システム「LOGRIZa」を導入し、掲載面の管理・可視化を行えるよう準備しました。
今回、「広告成果に対しての不正」への対策強化の一つとして、Spider LabsさんのAIを活用したアドフラウド対策ツール「Spider AF」を導入しています。
高度化してきているアドフラウドに対して、人とSpider AFの連携でミスをなくす
―「Spider AF」導入前の課題はありましたか?
石田:以前より社内にアドフラウド対策部門があり、今までは不正広告のチェックを目視で行っていました。
ですが、新しいアドフラウドの手法も出てくるなかで、社内での人によるチェックだけではなく、「Spider AF」との二重チェックを行うことで、不正広告のチェック漏れをなくし、お客様にとってより安全に「ACCESSTRADE」をご利用いただけるよう、導入を決めました。
「Spider AF」を導入する事で、よりスピーディーに不正広告の検知や対応もできると考えています。
―アドフラウド対策ツール「Spider AF」について、開発背景を教えてください
大月:昨今、アドフラウドの手口は高度化しており、日本でも注目され、社会問題にもなっています。
アドフラウドが出始めた頃は社内で対策されている企業が多かったのですが、新たなフラウドが出てくるなかで、「社内工数がかかる」「事例がないフラウドに対して対策ができない」などの問題が出てきました。そういった各社のアドフラウド対策の課題を解決していくなかで、開発されたツールが「Spider AF」です。
-「Spider AF」はどのようなツールでしょうか?
大月:「Spider AF」は国内最大級のAI搭載のアドフラウド対策ツールです。世界最高水準の認証機関「Trustworthy Accountability Group(TAG)」の不正防止部門から日本及びAPACで初めて認証を取得していて、信頼性の高いアドフラウド対策を提供しています。
「Spider AF」は、ビックデータを活用して、機会学習にて解析し、不正を検知してスコア化することで、誰でも簡単にアドフラウド対策を行えるところが強みです。
2020年7月から12月までの半年間にSpider AFで解析したデータは、インプレッション・クリック・コンバージョンを合わせて6,270億以上になります。そのうち790万件である約17.9%のインストールがアドフラウドであることが判明しており、1インストールあたり500円で換算するとおよそ39.5億円規模のアドフラウド被害があることになります。
―ツールを導入して、改善されたことは何ですか?
石田:まだ導入して1ヵ月ではありますが、アドフラウドに対して成果発生時間、デバイス、OS、ブラウザ、データセンター等様々な軸で不正広告の疑いのあるログの示唆を行ってもらえるので、よりチェック漏れがなくなりネットワークの健全性が保たれる印象はあります。
不正広告の疑いのあるログの抽出が以前より早く行える事もあり、既存の不正広告チェック業務フローの効率化にも繋がってくる可能性も感じています。
リーディングカンパニーとして、市場を正しい方向に成長させていく
―最後に今後の展望を教えてください
大月:新しい手法によるフラウドに対しても、しっかり対応できるようアンテナを高めて、各社からヒアリングをさせていただきながら使いやすさもアップデートしていきたいです。
今はアドフラウド対策という形で提供していますが、アドフラウドではない、ユーザーによる不正や、転売ヤーなどの様々な不正対策にも力を入れて、お客様のニーズに応えていけるようサービスを展開していきたいと考えています。
石田:アフィリエイト広告のリーディングカンパニーとして、市場をあるべき正しい方向に成長させていくために、「ACCESSTRADE」の健全性をより一層強化していきたいと思います。