2021.06.24
今盛り上がりを見せ、注目されているインドネシアのデジタル広告市場で事業拡大に奮闘する
インドネシアの2大インターネット企業である配車サービス大手の Gojek(ゴジェック) と ECプラットフォーム大手のTokopedia(トコペディア) が事業統合し、盛り上がりを見せているインドネシアのマーケット。
新型コロナを機にデジタル広告市場はどのように変化したのか。現在のインドネシアのマーケット状況や、グループ子会社であるPT. Interspace Indonesiaで「ACCESSTRADE」の立ち上げ当初から体制構築、事業拡大に奮闘しているCEOのPrayudho Rahardjoさんと管理部門全般を担うMelanie Devianaさんにインタビューしました!
【インドネシアのマーケット】
新型コロナを機に、ECが伸長
ASEAN最大、世界第4位の人口を抱えるインドネシアは、新型コロナの感染拡大の影響によって、2021年1-3月期のGDPの実質成長率は前年同期比マイナス0.74%で、経済低迷が続いています。現在も内需は停滞したままで、旅行業をはじめ多くの産業が苦戦を強いられています。
一方で、消費者の購買がオンラインにより移行したことで、デジタル経済が大きく伸長し、インターネット経済は好調。特に、ECのユーザー数や取引高は右肩上がりになっており、今後も成長を続けていくと予想されています。
【インドネシアのデジタル経済】
2020年には、インドネシア全体のデジタル経済は前年比で11%成長。440億ドルに達すると予測されています。ベトナムには成長率で劣るものの、2025年の市場規模予測では、6カ国全体の3,030億ドルに対し、インドネシアは1,240億ドル。ASEAN全体の約4割を占めるという予測になっています。
デジタル経済の中でも成長を牽引するのがECで、インドネシアの2020年のECでの流通総取引額は320億ドルで、前年比54%成長しています。ECの市場規模について、2020年のEC小売総額は約169億ドルで、前年比27.0%の成長率。2024年にかけて284億ドルに成長すると予測されていて、まだまだ拡大していくと考えられます。
〇インドネシアのEC小売総額の推移
注:2021年以降は予測値。
インドネシアの2大インターネット企業の事業統合
先日、インドネシアの2大インターネット企業である配車サービス大手の Gojek(ゴジェック) と ECプラットフォーム大手のTokopedia(トコペディア) は、事業統合すると発表し、新会社Go To Groupを設立。インドネシアで史上最大規模の合併で、最大の消費者向けテクノロジーグループになり、2社合計の取扱額は220億米ドル、月間アクティブユーザーは1億人を超え、国のGDPの2%を占めることになるといわれています。
新会社では、ネット通販、国際宅配便、配車、食品デリバリーなどのサービスを展開予定で、インドネシアと米国に上場する計画でグローバル展開を加速していくと考えられます。
❝Interview❞
PT. Interspace Indonesia PT. Interspace Indonesia
CEO HR&Admin/Accountant devision
Prayudho Rahardjo Deviana melanie
デジタル広告市場は、2020年は50%増加。デジタルシフトが加速中
-インドネシアにおけるデジタル広告市場とアフィリエイト市場について教えてください。
Rahardjo:インドネシアのデジタル広告市場は、過去5年間で急速に成長を続けています。平均成長率は20〜30%ですが、2020年は新型コロナ禍により、在宅ワークや巣ごもり消費などでデジタルシフトが加速したことで、2020年には50%ほど増加しています。
今後もデジタルマーケティングはさらに成長していくと予想されます。
インドネシアのデジタルマーケティングは、主に検索エンジンマーケティング(Google)とソーシャルメディアマーケティング(Facebook、YouTube、Instagram、TikTok)などがあり、インドネシアのデジタルマーケティングの90%以上を占めています。
―アフィリエイトマーケティングについて教えてください
Rahardjo:他のデジタルマーケティングと比較して、アフィリエイトマーケティングはSEMやソーシャルメディアマーケティングほど大きくはありませんが、着実に成長を続けています。
昨今、デジタルマーケター(広告主、媒体、代理店)は成熟し始めており、ROIの重要性を既に理解し、現在はパフォーマンスマーケティングに移行しています。アフィリエイトマーケティングはCPAモデルなので、将来的にまだまだ拡大の余地があると考えています。
-インドネシアの「ACCESSTRADE」について教えてください。
Rahardjo:現在、Eコマース、金融(クレジットカード、個人ローン、保険など)、旅行、教育、D2C、モバイルアプリキャンペーンなど200以上のプログラムを運用しています。媒体数はオンラインメディア、ブロガー、トラフィックバイヤー、ソーシャルメディアインフルエンサーなど20,000以上もの登録があります。
―お二人の業務内容について教えてください
Rahardjo:私は2014年にソフトウェア開発マネージャーとしてACCESSTRADEインドネシアで働き始め、今はゼネラルマネージャー兼CEOとして業務に携わっています。
CEOとして、企業目標達成のために経営方針から事業戦略の策定まで担っています。
また、以前のシステム開発経験と専門知識を活かして、現在はインドネシアとグローバル全体のACCESSTRADEのシステムサポート及び構築支援の一部を要するチームの指揮をしています。
Deviaja:私の業務は、財務経理、総務、人事など多岐にわたります。
ジョインした最初の頃は、総務及び経理業務を担当していましたが、その後は採用にも携わるようになり、会社の成長に合わせて様々な経験をしてきました。
困難を乗り越え、「ACCESSTRADE」インドネシアを牽引し、成長に貢献
-インドネシアで「ACCESSTRADE」の立ち上げから経験していると思いますが、今までどのような困難がありましたか?
Rahardjo:7〜8年前を振り返ると、インドネシアではアフィリエイトマーケティングは新しいマーケティング手法で、ほとんど知られていなく、認知度は低かったです。
多くの広告主は、CPM / CPCモデルのビジネスで収益化をしていたため、はじめは、CPAモデルであるアフィリエイトマーケティングがどれだけ効果的なものかを理解いただくことに苦戦しましたね。
また、広告主はサービスを利用する際にACCESSTRADEトラッキングコードを配置する必要があり、プロセスは難しくありませんが、当社のシステムと統合するのに時間がかかることがあります。
Deviaja:私は、特に採用活動が大変だったことを思い出します。当時はまだサービスの認知度もなかったため、候補者は入社を躊躇していました。そのため、候補者に対してなんとかジョインしてもらえるよう説得していた時は、大変でしたが非常に興味深かったですね。
―課題に対して、どう乗り越えたのでしょう
Rahardjo:広告主、媒体に対して提供価値を高めるために様々な特別プログラムを展開し、認知度向上に努めています。
例えば、アフィリエイトマーケティングに対する理解の促進のために、ATA「アクセストレードアカデミー」 などの教育プログラムを定期的に開催したり、独自の媒体向けのロイヤリティプログラムATSP「ACCESSTRADE スーパーポイント」、「紹介プログラム」、「カスタムクーポンサイト」などを展開しています。今後も、広告主・媒体に対して様々なソリューションを提供していく予定です。
Deviaja:サービス立ち上げ当初から会社を大きく成長させていくために、管理部門における体制の構築や社員が日々快適に働ける環境整備をし、改善を重ねてきました。優れたチームワークを構築することで、どんな課題や困難も乗り越えていけると思っています。
―事業推進において現在強化していることを教えてください。
Rahardjo:インドネシアのアフィリエイトマーケティングとACCESSTRADEの認知度をさらに高めること。また、媒体ネットワーク拡大に向けて注力し、優れたアフィリエイトマーケティングエコシステムを形成することが重要だと考えています。
インドネシア市場にはまだ多くのチャンスがあると思っているので、チャンスをしっかり掴み実行していきたいです。
-仕事をするとき、どんなことを心がけていますか?
Rahardjo:私はワークライフバランスを大切にしています。
これは、当社の理念である「Win-Win」に通ずるもので、私が事業を遂行していく上で大事にしている価値観です。
Deviaja:私は、小さな仕事も大きな仕事もすべて重要な仕事だと考えています。
なので、状況に合わせてプライオリティをつけながらもすべての仕事に柔軟な対応をし、誠実であることを一番大事にしています。
-今後の目標を教えてください
Rahardjo:私の将来の目標は、ACCESSTRADE Indonesiaをインドネシアのアフィリエイトマーケティングビジネスをリードし、インドネシアのアフィリエイトマーケティングをインドネシアのデジタルマーケティング全体の10%まで成長させることです。
Deviaja:私は労務を含む人事のスペシャリストになりたいです。
労務の仕事は非常にダイナミックであり、常に新しいことを学ぶ必要があるため、知識とスキルを身に付けるために定期的に短期コースやセミナーを受講しています。
私が成長することで、組織の成長にも貢献していきたいです。