2021.08.20
東南アジアにおけるフラウド対策の強化。独自開発ソリューション「ACCESSTRADE Fraud Shield」によって、市場の課題を解決する
当社では、海外版アフィリエイトサービス 「ACCESSTRADE」を東南アジア(インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール)各国に展開しています。「ACCESSTRADE」の独自フラウド対策ソリューション「ACCESSTRADE Fraud Shield」を2021年8月にローンチし、東南アジアにおけるアドフラウド対策を強化しています。海外の開発チームを率いる、プロダクトマネージャーの任に独自ツールの開発についてインタビューしました。
海外戦略事業部
プロダクトマネージャー
任 恩光
独自フラウド対策ソリューションを幅広い広告主に対して無料で提供
―開発した経緯を教えて下さい
2001年から日本で始めたアフィリエイトサービス『ACCESSTRADE』は、東南アジア(インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール)各国に展開し、東南アジアの成長が著しいです。日本では既に社会問題となっているアドフラウドですが、東南アジアにおいても急速な市場の拡大に伴って、アドフラウド問題が深刻化してきています。こうした背景から、アドフラウド対策を強化することで、東南アジアの広告主がより安心して、「ACCESSTRADE」をご利用いただけるよう開発を行いました。
開発当初は、まだフラウドに関しての十分なデータがなかったため、フラウドかどうかの判断ができない状態でした。
そのため、まず2~3カ月かけて自社でユーザーのアドフラウドのデータを収集する仕組みをつくり、全てのデータを分析し、フラウドができる仕組みを理解することから始めました。
―東南アジアにおいて、アドフラウド対策をしている企業は増えている印象でしょうか
各国で増えています。特に、通販以外の登録やアプリのインストールを成果とする広告主は、フラウド問題に対して積極的に対策を始めています。
広告主は AppsFlyer、 Adjust などモバイルのトラッキングツールを契約している場合は、オプション的な機能を使い不正クリックをブロックしています。
有名なのは、トラフィックガードというアドフラウド対策専門ツールがあり、大手の広告主はそれを契約していますね。
しかし、東南アジアではモバイルの計測ツールの費用が高いため、大手企業の対策が主流になっています。
アクセストレードで開発した「ACCESSTRADE Fraud Shield」は、対策はしたいけれども費用の面で断念している企業に対してもご利用いただけるように無料で提供しています。
―「ACCESSTRADE Fraud Shield」の機能について教えてください
「ACCESSTRADE Fraud Shield」には機能が3つあります。
1つ目は、広告主のブランド名でのリスティング広告出稿状況を監視する機能です。
2つ目は、ユーザーが実際にクリックしていないのに、知らないうちに裏で何かが動き勝手にクリックするというようなパターンがあります。それに対して、AI機械学習を使って異常なクリックを検知して、分析ツールで分析しています。
3つ目は、キャンペーン案件では、場合によって媒体自身が自分でコンバージョンをさせて、自分で複数のメールを作り登録するパターンが東南アジアでは結構多いです。
対策として、ユーザーのデバイスのデータを全て取得し、同じようなデバイスや同じようなIPアドレスで複数の成果が発生しているかなどを検出し、アフィリエイター自身がコンバージョンさせている場合には却下します。
こうした機能開発により、幅広い広告主に対して対策を行い、フラウドセーフティーに貢献しています。
―開発を進めていく上で、気を付けた部分はありますか?
社内の話になりますが、1媒体から1日何百万ものクリックがあり、アクセストレードのシステムチームは、サーバーが停止することがないように、まずはインフラを強化して、サーバーが止まらない状態にしました。
更に、この百万のクリックのデータはフラウドのため、サーバー負荷を鑑みると取得したくはないのですが、手法を分析するため、IP、場所、ユーザーのデバイスなどのビックデータを一日に数千万件取得し、不正のパターンを分析し、分析したパターンは機械学習を使って検出しています。
東南アジアにおける課題やニーズに応えていくために、テクノロジーを駆使し、進化を続ける
―最後に今後の展開について教えてください。
まだ、「ACCESSTRADE Fraud Shield」をローンチしたばかりではありますが、各国でコンバージョンレートが上昇したという結果が出ています。
ですが、これで全部解決できるとは思ってはいないです。フラウドは日々進化するため、開発ツールも進化させアップデートをし、フラウド対策をしないといけないと考えています。
加えて、透明性の観点で、アドフラウドの他にブランドセーフティにおいても何が対応できるか考えていきたいと思います。
急成長する東南アジアの市場のニーズや課題に対して、テクノロジーやデータを駆使して開発面から支援することで、「ACCESSTRADE」の健全性をより強化し、大手の広告主、ブランドのキャンペーンを増やし、成果に繋げられるよう貢献していきたいです。
※製品名、サービス名などは一般に各社の商標または登録商標です。
「ACCESSTRADE Fraud Shield」
https://accesstrade.global/fraud-shield/