2022.06.01
世界地図を見ながらビジネスを考えて、実行していく <インタビュー後編>
海外版「ACCESSTRADE」は、2013年に東南アジア(インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポール)各国で順次開始して以来、成長を続けています。
市場がないなかで、どのように成長をし、組織を強化してきたのか。まもなく10周年を迎える海外版「ACCESSTRADE」のこれまでの軌跡と新たな挑戦について、組織や人との関わり方など、海外全体を指揮している海外事業管掌役員 藤田のロングインタビューを前編・後編でお届けします。
海外事業管掌
取締役
藤田 昭平
<後編>世界10ヵ国以上の組織が一つのチームとして、高いパフォーマンスを出すために
<前編>東南アジアで未開拓だったアフィリエイトマーケティング市場に確かな一歩を刻む
―成長フェーズにおいて、人・組織との関わり方の変化について教えてください
現在、海外全体で250名ほどの組織になりました。一般的にスタートアップ企業が成長して、メンバー数が30人・50人・100人の頃に大きな問題が発生しやすいといわれていて、これまで我々も3つの段階で発生する問題に対して、組織をどのように構築していくのか、どういった社員を採用しどういう文化をつくっていくのか、また成長段階においてどういう仕組みをつくりどのように社員を教育するのか、順々に乗り超えながら組織を大きくしてきました。
―各国で多種多様なメンバーがいるなかで、文化もさまざまだと思います。 海外全体で250名ほどの組織を構築し強化していくために一番重視していることはありますか
社員一人ひとりのバックグラウンド、スキルも異なるために凸凹な組織なんですよね。そのため、企業文化を共有し一人ひとりが理解することが重要だと考えます。
インタースペースグループの企業文化を醸成・浸透させるために、ミッション・ビジョン・バリューを3ヶ月ごとに実施するCEOキャンプやマネージャーキャンプを通して何度も繰り返し伝えていくことを重視しています。バリューに関しては各国ごとにカスタマイズして、企業文化に基づいた研修や教育をしています。
当然、強い組織づくりのために横のコミュニケーションは大事だと思いますが、一番重要なことは我々グローバルチームがどこに向かってどのような成果を出したいのかという目指すべき目標、ビジョン、ゴールを皆で共有できているかどうかだと思っています。くわえて、その目指すべきゴールに対して自分自身のやるべき仕事、インタースペースグループで働く理由を理解し納得できていれば目標実現を目指せる強い組織になると考えます。
例えば、マネージャー研修の始めのウォーミングアップセッションでは、この会社で働く理由やこれから会社で何を成し遂げたいのかをそれぞれ考えてもらい、部署、役職、国籍が異なるメンバーでチームをつくり、そこで発表してもらっています。そういった場で、他のメンバーの考え方に刺激を受けたり、場合によっては自分の視点の狭さなどに気づくきっかけにもなっています。
―組織が大きくなるにつれて感じる課題点や経営の難しさはありますか。
たくさんありますが、文化の違いからくる問題は大きな要素だと考えています。今東南アジア全体では世界10ヵ国以上のさまざまなバックグラウンドや考えを持つメンバーが集まり、一つのチームで働いています。刺激も多いですが、当然考え方や物の見方も異なるため、違いを理解し、お互いの価値観を尊重しながらコミュニケーションをとることが大事だと考えています。
コミュニケーションには、「ハイコンテクスト」と「ローコンテクスト」の2つのコミュニケーション方法があります。「ハイコンテクスト」はコミュニケーションや意思疎通を図るときに、前提となる文脈(言語や価値観、考え方など)が非常に近い状態のこと。「ローコンテクスト」はハイコンテクストとは正反対のコミュニケーションで言葉による表現を重視することです。アメリカやヨーロッパなどではローコンテクスト、日本やアジアではハイテクストのコミュニケーション方法です。そのため、アメリカでは曖昧さのない具体的な表現をし、説明のために詳細に情報提供をします。
東南アジアはそれぞれに国でハイテクストなコミュニケーションをとることが一般的ですが、国籍、価値観等、多様なバックグラウンドを持つメンバーが働いている我々の組織では、しっかりと理解してもらうためにローコンテクストで具体的な表現でデータを基に論理的に会話をしています。
―東南アジアで成長を続ける、海外版「ACCESSTRADE」の強さを教えてください
インタースペースグローバルチームでは「GO TO10」というスローガンを掲げ、デジタル広告で10%のマーケットシェアを獲得することを目指しています。アフィリエイトリーディングカンパニーとして、トップだけでなくロングテールの広告主と媒体に使っていただけるプラットフォームに成長させ、マーケットをさらに大きくさせていくことにコミットし続けるチームになっています。
東南アジアでも日本と同様にACCESSTRADEの広告主の運用をサポートするコンサル担当のクオリティを評価いただくことは多いです。日本で20年の運用実績があるので、他社と比較しても幅広いノウハウを活かしてサポートできることは強みですね。
―最後に、中長期の目標と今後のビジョンについて教えてください
組織も拡大し、売上も今後拡大していく中で、今後は日本、東南アジアの視点ではなくグローバルの視点でビジネスを考え、どう事業展開してマーケットをつくっていくのか。日本で展開していることを海外で展開するだけでなく、世界地図を見ながらグローバルで戦える武器をつくって、日本も含めてグローバルで活躍できるインタースペースグループを目指したいです。
<前編>東南アジアで未開拓だったアフィリエイトマーケティング市場に確かな一歩を刻む